ソフトバンクのSIMロック解除端末でドコモ系格安SIMを使うのは危険?
こんにちわ、しむにぃです。
2015年5月から「SIMロック解除原則義務化」がスタートしましたが、そろそろSIMロック解除できる時期となり、格安SIMへの乗り換えを検討している人も多くなってきました。
au、docomoユーザーの場合、LTE対応端末であれば、SIMロック解除しなくても、そのまま格安SIMが使えるので簡単に乗り換えることができます。
しかし、問題はSoftbankユーザー。Softbank回線の格安SIMが未だに登場していないことで、Softbank端末で格安SIMを使うにはSIMロック解除をしなければいけません(Softbankも格安SIMの参入は発表しています)。
そして、Softbank端末の場合はSIMロック解除をしても、docomo端末と同じようには使えないケースもあるのです。それが、対応周波数(対応バンド)のお話しです。ちょっと難しくてややこしい話ですが、Softbank端末で格安SIMを検討している方は、是非一読してもらいたい内容です。
なるべく、分かり易く解説していくので、是非お付き合いください。
目次
まずは基本から!各キャリアの周波数を 知ろう!
まず、今回のお話を理解していただくために、各キャリア(docomo,au,softbank)の使用周波数(バンド)を知りましょう。
周波数とは、インターネット接続する際の電波のことです。
バンド/周波数 | docomo | Softbank | au |
バンド1/2.1GHz | W-CDMA、LTE | W-CDMA、LTE | CDMA2000、LTE |
バンド11/1.5GHz | W-CDMA | LTE | |
バンド18/800MHz | CDMA2000、LTE | ||
バンド19/800MHz | W-CDMA、LTE | ||
バンド21/1.5GHz | LTE | ||
バンド26/800MHz | LTE | ||
バンド28/700MHz | LTE | LTE | |
バンド3/1.8GHz | LTE | ||
バンド6/800MHz | W-CDMA | ||
バンド8/900MHz | W-CDMA、LTE |
このようになっています。
この表を見ると、各キャリアごとに異なる周波数を使用しているのが分かりますね!
そして、各キャリアは自社の回線しか使えないように端末にロックをしています。この制限を解除するのが、SIMロック解除というわけです。
また、格安SIMをソフトバンクのSIMロック解除端末で使う場合、au系格安SIMは使えません。ドコモ系格安SIMを使うことになります。それは、ドコモ、ソフトバンクの通信方式が「W-CDMA」であるのに対し、auは「CDMA2000」と根本的なデータ通信方式が異なるからです。
しかし、docomo端末でdocomo系格安SIMを使う場合と、Softbank端末で使う場合では全く同じではありません。なにが違うかというと、端末の対応周波数域が違うということです。
docomoと、SoftbankそれぞれのSIMロック解除後の対応周波数は、下記公式リンクを参照してみてください。
こちらを見ていただくと、端末によって受信可能な周波数が異なる…ということが分かっていただけたと思います。
(例えば、ドコモのXperiaZ4はバンド19や28に対応していますが、SoftbankのXperiaZ4ではどちらにも対応していません。同じ機種でも、受信可能な周波数が異なるのです。)
つまり、Softbank端末をSIMロック解除して、docomo回線の格安SIMを使おうとしても、一部のdocomo回線の周波数を受信できない可能性がある…ということです。
それでは、一部の周波数が使えないことが、スマホ利用にどのくらい影響を及ぼすのか…
それは、各周波数の役割について理解する必要があります。
docomo系格安SIMで使われる周波数の特徴
docomo回線で使われる周波数の特徴は、以下の通りです。
ドコモ系格安SIMのLTE(高速通信)周波数の特徴
以前は、3G回線のみでしたが、最近では高速通信が可能なLTEの周波数も増えてきました。まずは、LTE回線の周波数別特徴を知りましょう。
Band1(2GHz帯または2.1GHz帯)/下り最大75Mbps
ドコモのメイン周波数です。広い範囲で使われています。
ドコモ系格安SIMを使う場合、まずはBand1に対応していることを確認しましょう。
Band3(1.7GHz帯または1.8GHz帯)/下り最大150Mbps
ドコモ回線の中では、比較的新しいバンドです。
Band1よりも高速通信が可能。速度を出すために設立されたバンドです。
しかし、利用可能エリアが東名阪と限定されています。
Band19(800MHz帯)/下り最大75Mbps
Band1、3よりも周波数の低いバンドです。
周波数が低い電波は、電波の届きにくい山間部などの通信で活躍します。
Band21(1.5GHz帯)/下り最大112.5Mbps
こちらもBand3同様、速度対策用として設立されたバンドです。
北海道、東北、四国、北陸といった地方都市や、東名阪でのみ使えるバンドです。
Band28(700MHz帯)
現在一部しか利用できないバンド。
山間部などでも高速通信が可能なように設立された。
ドコモ系格安SIMの3G周波数の特徴
3G回線は、LTEが登場する前の回線として使われていました。現在では、LTEの方がより高速通信ができるので、LTEがより普及している状況です。
但し、LTEの電波が届かない時などに3G回線は活躍します。
Band1(2GHz帯または2.1GHz帯)
LTE同様、エリアが広く、ドコモのメイン周波数。
Band6(800MHz帯)
FOMAプラスエリアで利用されるバンド。
FOMAプラスエリアの回線が必要な方は、Band6に対応しているか否かをチェック。
Band9(1.7GHz帯または、1.8GHz帯)
FOMA関東、東海、近畿地域。
Band19(800MHz帯)
800MHz帯再編終了後のFOMAプラスエリア。ごく一部で運用されている。
対応している周波数帯が少ないとどんなデメリットがある?
何となく、バンド別の特徴をつかんで頂けたと思います。
それでは、対応している周波数が少ないとどんなデメリットがあるのでしょうか?
電波の届きにくい山間部などで電波を拾いにくい
もう一度、ソフトバンクのSIMロック解除端末で使えないバンドを見てみましょう。
すると、バンド21、19、28あたりが使えないことが分かります。これらバンドは、主に低周波のLTEバンドです。低周波の電波は、電波が届きにくいところでも強い特徴がありました。
つまり、ソフトバンク端末をSIMロック解除しても、電波の届きにくい山間部や屋内で電波を受信しづらい…ということが言えるのです。逆に、バンド1や3が多く使われる都心部などでは、それほど問題なく使える…とも言えます。
ソフトバンク端末をSIMロック解除すれば、ドコモ系格安SIMを使うことは可能です。しかし、ドコモ端末であれば使える周波数が使えないことで、ソフトバンク端末だと通信速度が遅い・電波が拾えない…といったトラブルになる可能性があるのです。その点を理解したうえで、ソフトバンク端末で格安SIMを使っていきましょう。
(※当然、ソフトバンク回線の格安SIMが登場し、そのSIMを使うのであれば上記心配はありません。)
ソフトバンクのSIMロック解除端末でドコモ系格安SIMを使う際の注意点 まとめ
ここまで読みすめていただいたあなたは、ご自身の端末、あるいはこれから購入しようとしている端末の対応バンドを確認することがどれだけ大切なことかご理解いただけたのではないでしょうか?
Softbank端末をSIMロック解除したからと言って、安易にdocomo系MVNOに乗り換えるのは危険です。必ず、端末の対応バンドを調べてから格安SIMの利用を検討しましょう!
既にSIMフリー化できるSoftbank端末を持っている場合は、一度SIMロック解除してみて、格安SIMを使ってみるのは良いでしょう。通信が不安定であれば、その段階でSIMフリースマホを買う…ということです。
一方、「これからSoftbankで新しい端末を手に入れ、SIMロック解除して格安SIMを使おう!」…と考えている方は、最初からSIMフリースマホを買ってしまった方が良いかもしれません。というより、そうしたほうが良いです。
ずっとソフトバンクを使っていくのであれば話は別ですが、格安SIMでスマホ維持費を安くしたいのであれば、現在使っている端末で格安SIMを使うか、それができなければSIMフリースマホを買ってしまった方が良いです。
SIMフリースマホは、ソフトバンクで販売されているスマホよりも安いです。
例えば、楽天モバイルでは定期的に端末半額セールが開催されます。そこそこのスペックのスマホであれば、14,000円程で入手できますし、高スペックスマホも30,000円程なので安いです。色々と悩むより、思い切ってSIMフリースマホデビューも悪くない選択肢の一つですね。
是非、ソフトバンクユーザーの方も、格安SIMにして毎月のスマホ維持費を安くしてくださいね!
※2016/03/23追記:楽天モバイルは2016年3月26日から端末半額セールを開催します。最近、5分通話かけ放題オプションも登場した楽天モバイル。かなりおススメの格安SIMです。
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